【韓国社会】“反日を叫んで利益を得ようとする人たち”の具体例

韓国人の考え方や行動は、世界の誰よりも韓国の人たちがよく知っている。
国民の代表である尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は2023年に、次のような重要な指摘をした。

「韓国社会に排他的民族主義と反日を叫んで政治的利益を得ようとする勢力が存在する」

この“反日勢力”とは、文在寅(ムン・ジェイン)前政権や現在の最大野党「共に民主党」を指している。実は韓国には「骨の髄まで反日」という人は少なく、「自分ファースト」で国民の反日感情を利用するが多いのだ。自分のメリットを最優先にして、利益を得られるなら反日を叫ぶし、そうでなければ沈黙する。
野党代表の李在明(イ・ジェミョン)代表がまさにそんな人物で、朝鮮日報がその二重基準を厳しく批判した。(2025/03/12)

共に民主・李在明代表は「第2の太平洋戦争」と言っていたのに…何の問題もなかった日本の汚染水放流

2011年3月11日に東日本巨大地震が発生した影響で、福島原子力発電所では、放射性物質が大気中に放出される事故が起きた。
それから時が流れて2023年に、日本政府が福島原発の処理水を海へ放出した。これは放射能汚染水を国際基準を満たした処理水に変えたもので、それを海に流すことは韓国の原発をはじめ、世界の多くの国で行われている。
日本の処理水放出については、国際原子力機関(IAEA)の事務局長が「技術的に可能であり、国際的な慣行に沿ったもの」と支持を表明した。つまり、まったく問題ない。

それにもかかわらず、当時、野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は、日本の海洋放出を「核テロ」と表現し、こう言い放った。

「福島汚染水放流は第2の太平洋戦争として記録されるだろう」
「日本は大韓民国と太平洋沿岸諸国に再び取り返しのつかない災いをもたらそうとしている」

イ氏は京畿道の知事をしていた時には、「日本の汚染水、命がけの闘いが始まる」とまで言った。しかし、韓国政府や科学者たちがそんなデマに反対し、科学的に問題ないと主張した。たとえば、福島原発の処理水をそのまま1リットル飲んだとしても、被爆量はバナナ8本分と同じで、その水を太平洋に流して希釈するのだから、放射能汚染を気にする必要はまったくないのだ。

【韓国の恐怖】処理水放出は“核テロ・殺人行為”→バナナ8本分

韓国社会は大分裂したが、最終的には科学が勝利する。
日本はことし2025年の3月12日から、処理水の11回目の放流を始めると発表したが、韓国の野党は沈黙している。その理由について、朝鮮日報は「過去1年半に汚染水の放流は10回行われたが、これまで何の問題もなかったからだ」と指摘した。
韓国原子力安全技術院(KINS)が発表した報告書を見ても、海や水産物に問題が出たという記載はまったくない。韓国では2023年8月から、水産物に対して放射能検査を2万8000回以上行ったが、「不適合」とされた件数はゼロだった。
専門家から見れば科学的、常識的に問題ないことは分かっていたから、これは当然の結果だ。ある教授は「過去に福島原発汚染水放流を問題だと扇動した人間たちは今からでも謝罪すべきではないのか」と怒っている。

世間の注目を集めるために、日本の処理水放出を批判していたのに、最近になって「手のひら返し」をした人はほかにもいる。
中央日報の記事(2024.12.18)

チョン・ユラさん、キム・ユナさんの日本コンサート開催に…「日本が地獄だと言っていたのに故郷に公演に行くのか」

韓国の有名ロックバンドのメンバー、キム・ユナさんは2023年に、日本の処理水放流についてインスタグラムでこう批判。

「私は怒りに包まれていた。(中略)放射能の雨がやまず、日も当たらない映画の中のロサンゼルスの風景。きょうのような日、地獄について考える」

さらに、「RIP 地球」というメッセージを記す。
*「RIP(Rest In Peace)」は「安らかにお眠りください」の意味で、日本の海洋放出によって“地球は死ぬ”と言っている。

それなのに、キム・ユナさんらのグループが2025年2月に来日して、東京でコンサートと開くと発表したから、韓国ではちょっとした有名人のチョン・ユラさんがこんな的確なツッコミを入れた。

「日本は地獄だと言っていたのに、公演に行くキム・ユナさん」
「日本に遊びに行って寿司を食べて福島をののしる女傑」
「身をていして汚染水のリスクを思い出させる真の愛国者」

この急変ぶりに怒る人はほかにもいた。元国会議員のチョン・ヨオク氏は、

「寿司を食べながら日本を批判し、その日本で公演とは矛盾している」
「地獄と呼んだ場所で金儲けをするのか」

と批判した。
このご都合主義の二重基準には韓国のネットも荒れた。

日本の対応について「核テロ」や「第2の太平洋戦争」と非難したのに、メリットがなくなれば黙ってしまう。「地獄」とののしった国でも、利益があればコンサートを開く。
「韓国社会には反日を叫んで利益を得ようとする人たちが存在する」という尹大統領の指摘は正確で、これからも有効なので覚えておく価値がある。

 

 

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ①

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ②

近くて遠い日本と韓国 「目次」 ③

「汚染水デマ」が行き過ぎて、対日本から韓国人同士の争いへ

【福島いじめ】韓国が東京五輪で日本を激怒させた2つのこと

「石を投げられる」。韓国政府の“反日”に苦しむ在日韓国人

ドイツの“少女像”まで利用するユン氏に、韓国国民「恥知らず!」

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この記事を書いた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。
また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • > 「韓国社会には反日を叫んで利益を得ようとする人たちが存在する」という尹大統領の指摘は正確
    なのですけど。
    一方で、そのような人たちがいつまで経っても生き残っている理由は、「反日を叫べばそれに呼応して一時の自己満足に浸ることをよしとする多くの国民がいる」からですよね。
    これも覚えておく価値があると思いますよ。

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