先週の土日、名古屋にある日泰寺でタイ文化を楽しめるイベントが開かれ、訪れた人たちはタイカレーやパッタイなどのグルメを食べたり、タイマッサージを受けて「サバ〜イ（気持ち良い）」な体験をしたりして楽しんだ。
明治時代、タイ（シャム）から仏舎利（シャカの遺骨）が日本に贈られ、それを安置するために今の日泰寺が創建された。「日」は日本、「泰」はタイ王国を表している。
このお寺は日本とタイの友好関係を象徴する場所だから、こんなイベントが開かれているのだ。
さて今回は、日本の大学を卒業して、そのまま大学の研究室で働き、今はバンコクに住んでいるタイ人女性のアイ（ニックネーム）さんから聞いた話を紹介しよう。
※これは今後の記事のためのメモとして、一問一答形式で簡単に書いていく。
ーータイに戻って、あらためて気づく日本の良さってなに？
女性の立場だと、日本のいちばんの魅力は治安の良さ！ 夜中に突然「甘いものが食べたくなる病」が発症しても、バンコクでは気軽にコンビニに出かけることなんてできない。そんなときに、「あー、自分は天国にいたんだな」って思う。
ーータイに戻って、あらためて気づいたタイの良さって？
人間関係のストレスから解放されたこと。日本人には「本音と建前」があって、自分の気持ちをハッキリ伝えないから、正直イライラすることが多かったの。今はそれがなくなって、すっごくラクになった。
ーー日本にいて影響を受けて、性格や考え方で変わったことはある？
タイに戻ってから、家族や友達に「アイの笑顔が無くなった」って言われた。そう指摘されて、「日本ではポーカーフェイスの人が多かったから、その影響を受けたんだな」って思ったよ。
ーータイと日本社会の共通点って何かある？
日本には天皇、タイには国王がいて、どちらの国にも君主がいることかな。でも、前の国王のラーマ９世が偉大すぎて、今のラーマ１０世の人気はイマイチ。理由？ 海外で豪遊したり、政治に口を出したりするからじゃない？
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ーータイと日本社会の違いって？
バラエティーの広さ。わたしの出身地はタイの東北部のイサーンで、実家に帰ると親とラオス語で話をしている。タイは日本と違って、いろんな民族や言葉がある多民族国家だけど、それを知って意外に思う日本人が多かったな。
※タイ国政府観光庁のデータによると、タイ族が約８５％、中華系が１０％、その他にモーン・クメール系、マレー系、ラオス系、インド系がいて、さらに山岳部には異なる文化や言語を持つ少数民族が暮らしている。（タイ王国の概要）
ーーそんなタイ国民をまとめるものといえば？
と〜っても残念なことに、今はカンボジアとの戦争。あの一件がタイ国民の愛国心に火をつけて、一致団結させちゃった。ネットを見ると、カンボジアの悪口で盛り上がってすごい一体感を感じる。
※ことしの夏、タイ軍とカンボジア軍が国境で衝突し、多くの死者が出た。両国民の敵対感情は「最悪」と言っていいほど激化している。
ーー今のタイは親日国だけど、アイは日本について、何かイヤなイメージはある？
基本的にはナシ。でもあえて言うなら、戦時中に日本軍がカンチャナブリーで「死の鉄道」を建設したこと。あれはダメだよ。
※日本軍はイギリス人やオーストラリア人など連合軍の捕虜、タイ人やミャンマー人などの現地人を作業員にして、タイとミャンマーを結ぶ鉄道を建設した。この過酷な作業で多くの死者がでて、戦後、責任者が戦争犯罪に問われた（泰緬鉄道）。
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